女王や王に対して使う「your majesty(陛下)」というフレーズ。しかし、この言葉を住まいに当てはめてみるとどうでしょうか。空間を適切な装飾でデザインすることで、住まいが「your majesty」となり、その堂々とした豪華さ、凛とした風格は、あなたを高貴な気持ちにさせることでしょう。
君主にふさわしい不動産をデザインするには、何が必要でしょうか?王室御用達の快適さと美しさを再認識したハイエンドなオーナーのために、自分だけのお城をイメージするのに役立つルックブックをご紹介します。
バロック発祥の地の豪華主義
パリは宮殿の街です。パリの通りを何気なく散策すれば、シャンゼリゼのグラン・パレ、リュクサンブール宮殿、パレ・ド・ジュスティス、近くにある象徴的なルーブル美術館など、世界最高級の帝国建築の見事な風景を垣間見ることができます。
Propriétés Parisiennes Sotheby’s International Realty
だから、自分自身のお城を想像するときに、フォーブール・サントノレ通りの中心部にある19世紀の私邸と庭園 ほど適したなものはありません。この住居には、壁紙の植物モチーフから緑豊かな中庭、豪華なサロンまで、第一級の家具、備品が数多くあります。過剰ともいえるエキゾチックな趣向は、古典的な王室様式の特徴です。同様に、この家の洗練されたチェック柄の床や4m高の天井にみられるような建築のすばらしさも、この様式の特徴です。
王の饗宴にふさわしい田舎屋敷のキッチン
アカデミー賞にノミネートされた「スペンサー ダイアナの決意」(2022年10月日本公開予定)は、王室の住居を人々の想像の中で際立たせた最近の映画やテレビ番組の一つです。しかし、ダイアナ妃に着想を得たドラマはサンドリンガム・ハウスの非常に美しい姿を見せてくれる一方、もっとも興味深いのは、視聴者に広大な田舎のキッチンを見せてくれる点です。
Jameson Sotheby’s International Realty
このシカゴ中心街の非の打ちどころのない物件は、驚くほど似たような印象を作り出しています。骨董で装飾された居間、格天井が取り付けられた玄関は、この物件のもっとも注目すべき特徴の一つである、家の裏手にある木製パネルのキッチンにつながっています。美しいむき出しのはりからラ・コルニュのレンジまで、ヨーロッパの重要な歴史的な建物の機能的な部屋を垣間見ているかのようです。
豊かな色合いと柔らかな生地で快適に
伝統的な城のもう一つの特徴は、ビロード、サテン、レースなどの布地でできた印象的なカーテンです。これは、たっぷりと装飾された領域を作り、上品な家具や贅沢なじゅうたんでさらに居心地の良い空間を作り上げます。深みのある宝石のような色調は、君主が安らぐ場所にふさわしい色の一つです。
Italy Sotheby’s International Realty
こうした傾向が、ヴァレーゼ湖とアルプス山脈を見渡せるこの素晴らしい住宅でも見て取れます。この家は、有名な住居にあった本物の絵、パネル画、タペストリー、鏡、炉棚などが保存され、まるで美術館のようです。ティールームと堂々とした図書室は18世紀の英国の住宅から移築し、ナポレオンの部屋は有名なパリの住宅の工芸品、鏡板、化粧しっくいを使い、主寝室には17世紀のフランスの城の作品が飾られています。
居間を明るく、金色を使う
豊かで濃い色味は、歴史的に王室の特徴かもしれませんが、シミ一つない白い空間に金色のアクセントをつけるのもそのひとつです。相対的にミニマルなこの色合いは、視覚的な活力を与えてくれるサロンに飾られた絵画と同様に、空間をさらに明るくするシャンデリアやアンティークの照明で強めることができます。
Sotheby’s International Realty – East Side Manhattan Brokerage
このフランス ・ルネッサンス様式の邸宅には、広い玄関と絵のギャラリーとしても使える階段があります。君主の血統は何世代にもさかのぼり、多くの王室は肖像画や家宝を通じて家族と歴史をたたえています。その美学は、ニューヨークのアッパーイーストサイドにある「金ピカ時代」と名付けられた珍しい記念碑的な家で完全に表現されています。
壮麗な住居には、ふさわしい庭園を
君主の個人的な住居には、インテリアデザインが重要です。しかし、城、宮殿、歴史のある屋敷は同時に緑あふれるスペースについてもよく知られています。手入れの行き届いた庭園、素晴らしい噴水、細心の注意を払って維持されている生け垣の彫刻、私有の森林はすべて王の造園の伝統的な特徴です。
Sotheby’s International Realty – Beverly Hills Brokerage
ビバリーヒルズの邸宅の多くで壮麗な造園が見られます。しかし、この10エーカー(約4万平方メートル)近い物件に匹敵するものは、ほとんどありません。広大なスポーツ用コート、手入れの行き届いた散策路、絵画のように美しい子供用迷路など、この門のある邸宅の外観は、まさに統治者の王宮のイメージそのものです。プール付きの家どころではありません。この住居には、2人用の豪華な隠れ家となるプール棟があり、豪華なサンゴ色のゲストハウスが備わっています。
君主は独特な豪華さの象徴であり、その住まいは高級デザインと装飾を今日まで刺激し続けています。邸宅を満たす伝統と同様に、上品で時代を超えたスタイルを取り入れて、存分に楽しんでください。
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